2017年8月7日月曜日

右傾化傾向の一端

台風が迫っているせいか異常な暑さだ。昨日は山陰地方で39℃が記録されたそうだから、それを思えば、まだ益しとしなければいけないのだろう。こんな夏の日は涼しい場所で読書でもするのが一番だろうが、あまりそそられる本が見つからない。本選びも難しくなった。この週末も本屋をうろつき、タイトルだけで新書を1冊選び失敗をしたような気がする。内容が余りに右傾化していていたからである。

お薦めはしないが一応紹介する。新潮新書の「メディアの驕り」廣淵升彦著である。著者は1933年生まれ東大卒 テレビ朝日ニューヨーク・ロンドン両支局長、ニュースキャスターを歴任された人なので、豊かな経験に裏付けられた該博の知識を持つ優れた人のようだ。相当なお歳だが、森友学園籠池理事長と同じように右翼傾向の人はいるものだ。内容的には、現代のマスコミに対してもっと勉強を、或いは正義漢ぶって国民を間違った方向に誘導するな、と言った趣旨を述べている。

概ね正論なんだろうが、著者のエリート意識が相当鼻についた。中でも庶民に対する警鐘として【危険な「情緒的平和願望」必要なのは「知的情報収集力」】を力説している。曰く【こちらが戦争をしたくないと思っていても、他国が日本の工業技術を欲しがったり、より広い領海を求めて日本に攻め込んできた場合どうするのか。こちらは近未来起こりうる差し迫った恐怖だ。日本が戦争を仕掛ける危険について、野党は度々警鐘を鳴らすが、それらは極めて可能性の薄い話である。これは政治的プロパンだ。】

下々とか庶民の典型みたい者としては、いまさら知的情報収集力をつける訳にはいかぬし、情緒に頼るのは仕方ないじゃないの。と言いたくなる。第一他国が日本の工業力が欲しくて戦争を仕掛けるなんてことがありうるのだろうか?日本の領海は広いと聞くし、中国の工船、漁船が尖閣諸島に押し寄せて来ることも知っているが、これって戦争なのかね。仮にそうだったとして、憲法を改正しようと、自衛隊の兵力をどう強化しようと、中国と戦争して日本が勝てるわけはないでしょう。

安倍総理閣下も先日慰霊に訪れた広島で「防衛計画大綱の見直し」を口にされた。当然のことながら北の核ミサイル攻撃に備えたミサイル迎撃能力の強化が中心とのこと。平和記念式典の場で、それを表明する無神経さを咎める気にもならぬ。ただ平和ボケのままあの世に行かせてもらいたい。

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