2017年6月5日月曜日

保守の原点とは?

総理は「自民党で一番の保守強硬派の私」と自ら言ったそうだが、へえ~てなもので、どこに保守の矜持があるのだろう。さしたる根拠もなく憲法改正を唱えることが保守と思っている節が透けて見える。保守強硬派を改憲強硬派とでも言えば未だ少しは分かるが、本当に総理の語彙の貧弱さには辟易する。日本には党名に保守と銘打つ政党は今は無いが、保守主義とは一体どんな思想を言うのか理解できない。先ず己が保守なのか、革新なのかも定かでない。

父は「私は超保守主義者だ。」といつも冗談交じりに言っていたが、生涯崩さない原則を幾つか持ち続けたので、こちらもそうだろうなと納得していた。省みて自民党を思うとき、彼らが抱く原則とは何だろうか?「改憲」が唯一の原則としたらおかしなことになる。日本は戦後70年以上、憲法を大原則として社会の安定が図られてきている。現政権ですら憲法に法り国民から選ばれている筈だ。まさか一番の改憲強硬派であったとしても、憲法をひっくり返して革命をしようと言うわけでもあるまい。

103条に及ぶ憲法の中に「自衛隊」について表記されていないのが悔しいから、これを表記するよう改憲したい持ちは分からぬでもない。しかしそれ故に保守主義者と言えるかである。そんな気持ちを持つ政治家は野党にも腐るほどいるだろう。そんなことは適当な時期さえ来れば、大騒ぎしなくても実現可能になるかもしれぬだけのことだ。しかし今がその時でないことだけは確かである。何故か、現政権の振る舞いが余りに保守とは程遠い利己的になってしまっているからである。

利己的も政党の信念、原則に基づくことならまだしも、「己」が正真正銘の個人や特定の集団であっては何をか況やだ。自民党も多数の議員を擁する大政党になったのだから、中には高い理想を持つ優秀な人材もいるだろう。蕎麦屋でもあるまいに<もり><かけ>論争に嫌気をさしているとしたら、改めて国民の負託に応え、いま何をすべきかを同志を募って、党内で原則的な議論をしてもらいたい。その際経済成長による格差の解消なんてことが、保守の原点なんてことにならぬようくれぐれも願いたい。

0 件のコメント: